2019/11/18 投稿

100%自然素材+消臭効果抜群の「シラス土壁」

マグマを原料とした純粋な自然素材「シラス」。
私は10年ほど前からこの材料を使い続けています。
純粋な自然素材ですから、設計や施工の際に注意すべき点は多々あるのですが、それでも使いたくなる魅力についてお話します。

左官材料の魅力は、一つとして同じ形状のものは存在しないということ。
ひとりひとりの左官職人の技術と個性による手仕事で出来上がる作品は、おなじ仕上げ柄をつけていてもすこしずつ異なり世界にひとつだけの作品となります。

そしてデザインの柔軟性と独創性の他にもう一つの大きな魅力となるのが、消臭機能と調湿機能です。
分かりやすい2つの施工事例を元にご説明します。

 

美容室特有のあの臭いがしない美容室

JR埼京線:南与野駅から徒歩10分の場所にある「美容室 オラシオン」。

その内装壁の4面あるうちの1面(鏡を据え付けている面)にシラス土壁を採用しました(全面ではないところにも注目です)。
新規オープンしてから1か月くらいたった頃、オーナー店長からこんな電話がありました。

「この壁材はすごいね!
消臭機能があるというのは聞いていたけど、こんなにすごいとは思わなかったよ!
カラーリング材やパーマ液の臭いが店舗に染み付かないんだから!
驚いたよ!!
ずっとここにいると気が付かないんだけど、他の美容室に出向している妻から教えられて気が付いたんだよ!」

とっても喜んでいる様子で教えていただいたのを覚えています。

ご夫婦二人とも美容技術者のお店ですが、開店当初は奥様が元々勤務していた美容室に後任が見つからず、しばらく奥様は他の美容室と自店舗とをかけもちで勤務していました。
その際に勤務先の美容室に入った時にその臭いを強く感じるようになったとのことです。
いつもそこにいると慣れてしまっていて気が付かなかった臭いが、その臭いがない自店舗から移動するとよく感じるようになったということです。
美容室にくるお客様は、その不快な臭いが気になっていたとしても「美容室だからこの臭いは当たり前」という気持ちでいらっしゃっているから嫌な顔をする方は少ないのでしょう。
スタッフも臭いに気付かず、お客様からのクレームが無いから当然改善もされないわけです。
けれども、不快の原因は最小限であって欲しいですね。
特にお店は不特定多数の方が利用する場所ですから気になる臭いは無い方が絶対良いですね。

デリケートな環境が要求される場所にもこの材料は強力な消臭機能を発揮します。

また、この美容室は店内の湿度調整にも気を使っていますが、その調整にもこの壁材の機能が一役買っています。
水分を一旦壁の中に取り込んで必要な時に室内に吐き出す機能です。

居室は人の出入りや冷暖房の強弱により湿度の変化も激しいですが、室内の湿気が多いときは吸い込み、少ないときは壁からはきだすという機能があるので加湿器を使い続けていてもちょうどよく調整してくれます。
人の皮膚感覚は敏感です。
毛髪も皮膚の一部といいますがやはり敏感なのだそうです。
オラシオンでは湿度調整がしっかりされた快適な店内で、いつも素敵なお客様のスタイリングを生み出しています。

 

油やだしの臭いがしない内装・汚れが付きにくい外装をもつ飲食店

JR京浜東北線:与野駅から徒歩2分の場所にある「蕎麦 孤丘」。

その内装も外装もシラス土壁を採用しました。

良い飲食店には、清潔感が第一に求められます。
この店の店長は、自らの料理や蕎麦打ちの修行中に、多くの他の店舗を研究され、良い店・良い蕎麦屋の独自の概念をつくり上げた方です。
そこには一切の妥協はありません。

私は、その店長から一杯のもり蕎麦をいただき、この蕎麦を売る店舗の設計依頼を受けました。
その美味さに衝撃を受け、この繊細な風味の蕎麦が提供される場所としてふさわしいのはどんな空間なのか、そこにはどんな建材が使われるべきなのか大いに悩みました。
この悩みは建築設計を業としている者にとって至福の楽しみでありました。
慈しみながら、ひとつひとつの条件を整理して対応策を割り当てる作業が進みます。
整理が出来たら、それらを空間に落とし込みながらシンプルにまとめあげていく時間が続きます。
書いては壊し、書いては壊し、そのような一見無駄なような作業を繰り返しながら、膨大な作業が嘘のようにシンプルな形にまとめあげられていきます。

お客様が求めるものは、純粋に「おいしさを楽しみたい」ということだ。
料理は間違いなくお客様を満足させられる。

ではそれを提供する空間に求められるものはなにか?
「目の前の最高の料理を楽しむことを邪魔する要素は徹底的に排除すること」

爽やか感・清潔感・温度感・湿度感・香り・快適音・雑音・風・灯り・視線の先。
あらゆる要素を検討し、求められる空間に向けていく

シラス土壁は、そんな要求にこたえてくれる数少ないというか、唯一の建材であったと思っています

施工時の難しさやひび割れ対策など気を付けなければならないところもいっぱいあって、お客様にその特性を十分理解をしていただかないと採用することのできない材料ではありますが、この材料のもたらす空間環境の可能性は限りなく大きいと感じています。

もう店舗が完成してから8年ほど経っていますが、客席で厨房からの天ぷら油の臭いを感じることはありません
いろいろな食材の香りが入り混じった感じもありません。
目の前に届いた最高においしい料理の香りだけが漂います。

仕切りのない客席ですが、隣のお客様とは心地良い距離をとってありお隣の会話は壁が持つ音の吸収や乱反射機能によってはっきりと聞き取りづらく、他のお客さまの会話は心地よい雑音となって自らのテーブルの会話にのみ集中できます。
飲食店では適度な雑音も快適を構成する一つの要素と考えます。

もう一つの機能性として、シラス土壁は無機質な自然素材なので静電気を発生しません
その効果は、ホコリなどの汚れの元となる物質を吸い寄せない性質があります。
この店舗では外装にも採用し、大きく軒を張り出しています。

8年たっても目立った汚れはありません。

雨が降ると外壁にかかった雨が外壁を濡れ色に変えます。
しっとりとした雰囲気に変わります。
一旦は水分を吸収しますが雨がやむとまた吐き出します
下地塗りの部分にはしっかりとした防水層がありますから、建物の躯体に雨がしみこむことによる悪影響はありません。
雨も楽しめる外壁材料は他にはありません。

 

四季折々の景色を楽しむ日本人の繊細な感性になじむ貴重な建材だと思います。
ぜひ上記2つの店舗へ足を運び、その効果を体験してみてください。

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